ふらっと暦 長月
先日、水戸に一週間ショートステイに行った。妻のレスパイト(介護休暇)のため。ふらっとの元メンバーの人にも久しぶりに会えた。デジタル業界のくせに歴史好きな夫婦なので、水戸光圀公のお膝元というだけで、林間学校のように楽しめた。
妻と知り合って八年ほど経った二九歳のとき、後輩が誘ってくれて、カナダで一年間過ごした。トロントからバンクーバーまで四千キロの自転車の旅に出たり、テニスに夢中になったりした。
帰国後NECの子会社に入社した。倒れたのは、結婚して二年くらい経った時。娘はまだ二歳になる前だった。変わってしまった自分を受け入れることは、一番厳しい。でも、娘の存在が死ぬわけにはいかないと引き留めた。
妻には本当に感謝しかない。喘息持ちがたばこを吸って、健康を顧みず仕事をして、この身体になったのは自業自得だ。そもそも、助かったのも奇跡だしね。人生って何があるかわからない。戦争になるかもしれないし。一方、何か一つ違っていても、妻にも娘に会えていないのかと思うと、やはりそれも人生なんだと思う。
数年前、誤嚥性肺炎で入院したとき、娘が「パパに見せたい」と成人式の晴れ着を着て見舞いに来てくれたのは本当に嬉しかった。自分の性格を受け継いでいるから、世界を見たいと思うだろう。
娘が結婚するまでは生きていたい。でも、人生最大の試練は、娘の結婚の日が来ることだろうなぁ。
二〇二六年 九月
(ふらっとメンバー O・A)
(「ふらっと暦」は、利用者の方々の毎日を写真と文章でふりかえる施設内広報誌で、題字は利用者の方の自筆です。表紙のみHPに掲載しています。)


















