ふらっと暦 神無月
進学塾で現代文と古文を教え、全国模試の問題を作ったりしていた。幼い頃から本が好きで、原点は「オオカミ王ロボ」。村上春樹、村上龍、丸谷才一、ガルシア・マルケス、好きな作家をあげたらきりがない。死んだら棺桶に入れて欲しい本もあるけど、それまでは内緒。
病気で集中力が続かなくなり、以前のように本が読めなくなったことは正直ショックだった。もっと読みたい本が沢山あった。音声の「聴く読書」ってどうかな。興味がある。
最近の文字が軽んじられる風潮は、あまり良くないと思っている。教えている頃から少しずつ生徒の変化は感じていた。本を読まないと駄目とは言わないが、自分は本から学んだことが多いから、やっぱり読んだ方がいいとは思う。どんなものでもいい。
どんなところでも本のあるところはホッとする。下馬図書館では、寺山修司を探した。天井桟敷、黒テント。友人が劇作家だったので、演劇も沢山観に行った。又行きたいな。小劇場は階段が多いけど、行ければ映画より見やすいかもしれない。
本も、音楽も、絵も、芸術は全部好き。自分の中でイメージを描ける。ふらっとに来てから、音楽に明るい人もいて、もっとやりたいと思うようになった。曲を選んで歌って、それも自分の表現。今はブルーハーツの「僕の右手」を歌ってみたい。
妻には一番感謝している。梅ヶ丘の地下にあるバーで知り合ったんだ。今も沢山話をする。人生は面白い。助かって良かった。考えてみれば、自分の人生も十分に小説みたいだよなって思う。
二〇二六年 十月
(ふらっとメンバー I・S)
(「ふらっと暦」は、利用者の方々の毎日を写真と文章でふりかえる施設内広報誌で、題字は利用者の方の自筆です。表紙のみHPに掲載しています。)


















