新しい出会い

2013年12月17日更新

月に1回土曜の午後、新しい時間が生まれた。「絵を描く」「カードをデザインしてみる」など<アート タイム>が始る。

コーチは高橋雅子さん。私たちのために午後の数時間をアートの世界に誘ってくれる。
 高橋雅子さんは、今から約16年前に高校で美術の教師をしておられた時に脳出血を発症。当初は寝たきりで、何とか車いすにはたどり着いたものの、職場には戻ることもできず、退職。ご本人曰く「ひきこもり」でした…と。何とか動ける頃には、高次脳機能障害に見舞われ悪戦苦闘。そして現在は、特別養護老人ホームでケアスタッフとして勤務されている。
 「職場の皆さんが、障害を理解してくれることと、お年寄りのスピードが私には丁度いいのかもしれません」と淡々と語る高橋さん。老人ホームの壁に季節の装飾を依頼されると、当たり前だが本領発揮!・・・すると通りかかったお年寄りから「あんた、うまいね」と「誉めてもらえるんですよ」と屈託なく笑う高橋さんの笑顔は、役割を担っておられる充実した表情で満ちている。
ふらっとに来て下さると、高橋さんの小さなメモ帳はすぐにいっぱいになる。「忘れるから」と云いながら似顔絵・・・と名前が続く。
 「みなさん、便りを作りませんか?私も障害者になって、一旦これまでの人とお付き合いが切れてしまった経験があります。私元気で生きてますよ!って伝えませんか…」と云う誘いから始まる時間。いつの間にか輪が広がる。久しぶりに絵筆を持った・・・と涙ぐむ人もいる。
 アートは心癒す大切な時間。そして苦しい体験を経て、メンバーの方々と繋がる高橋さんの空気は優しい。こんな豊かな時間が10月からふらっとにはある。

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