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あたりまえだけれど

2017年12月30日更新

最近よく街で目にする「障害者用」の文字。

エレベーターだったり、スロープだったり、トイレだったり。しかし現実はなかなかバリアフリーにはほど遠いことを私たちは毎日のように体験する。

先日、Nさんが通い始めた「就労移行DO WILL」へ一緒に向かった。この事業所は、就労に向けてパソコン技術を指導しながら就職に繋げる事業所だ。二年間の間に技術を獲得しなくてはならない。

二〇歳で脳出血に見舞われ六年たった今、電動車いすで民営バスに乗り新たな挑戦を始めた。入院時を知っている私にとっては驚き以外の何物でもない。当時お母さんは、「二度と外食などできないですよね」「外にも出れないですよね」と途方に暮れておられたのが昨日のことのようだ。

そしてNさんは「一人暮らししたいんで、お金いるから、働かないと」と言い出した去年。その動機は、二〇代若者とどこも変わらない。ある意味Nさんにはバリアはない。その日バス停でいつものようにスロープを出してくれる運転手さんがNさんに声をかけた。「パスモと障害者手帳準備しておいて、あとで僕が行くから」と運転席まで行かなくてもよいと言ってくれた。バスを降りる時、手伝いがいる時声かけてね」と言われNさんが「ありがとうございます!」と言うと何と「頑張ってね、行ってらっしゃい」と電動車いすで走り去るNさんの背中に声がかかった。照れくさそうに首をすくめるNさん。バリアフリーはここにある!と思う朝だった。(ふらっと暦 2017年7月号より)


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