セカンドチャンスーーー利用者Yさんが講演で語ってくれたこと

2019年1月2日更新

最近ふらっとでは利用者の方に、
「自身の経験したことや感じたことを語っていただく」試みを始めています。
今日はその試みのなかから、利用者のYさん(女性)のお話です。

語る・聞く・・・体験を共有することから

ふらっとの利用者である当事者の方々は、病気や事故など、さまざまな体験を経て「その後」を生きています。

そこには、つらかったこと、うれしかったことなど、さまざまな出来事があったはずです。

それを、当事者本人がじかに語るということ。

利用者同士で思いを語り合う場面はときどきありますが、それを人前で話すとなると、どういう気分でしょうか。

あまり語りたくない、人には聞かれたくない、そんな気持ちでしょうか。

でも人前で語るということが、当事者自身の何かを動かし、またその話を聞いた人の何かを動かすのではないか。

そんな思いから、あえて「気軽」に始めよう、とこの試みは始まりました。

今回は利用者のYさんに、とある講演会の中での登壇をお願いしました。


思うように言葉が出ない状態で、人前で話をするのは勇気がいるかもしれない。

お願いするにあたり、断られるかなと思いつつ、それでもYさんならと、えい!と声をかけてみました


「9月16日の講演会に登壇して、30分くらい話してもらえない?」


するとYさんは、「やる!」と二つ返事で快諾してくれました。

こころよく引き受けてくれたことも嬉しかったのですが、

さらにYさんは、

「笑いがとれないかなあ」
「来た人に笑顔になってほしい」

なんてことまで話してくれて、さらにうれしい驚きでした。

セカンドチャンス

当日、お客さんは120人くらい。

Yさんは、人前で話すのは初めてだったといいます。


Yさん。


元々はお酒が好き。アクセサリー、メイクもばっちり。

デザインの世界での仕事はたいへん忙しく、誰が見ても「売れっ子」と言っていい活躍。

人の3倍くらい働いては海外旅行に行くのが趣味。


病気になり、脳機能の障害と、左半身に麻痺が残る。これまでのような生活ができなくなった。

当事業所ふらっとで、自立訓練を受けることになった。


Yさんにはざっと、そんな「これまで」があります。


そして、「ココカラ」の始まりです。



2009年から訓練を始めて、9年目の2017年、「脳がつながった」と感じたと言います。

「訓練の中で、iPadにイラストで似顔絵を描いたらとても好評で。うれしかった。」

「仕事のオファーからではない絵を、初めて描いた。」

「その絵をエコバッグにプリントして販売したら、見事完売!3000円の収入を得た。」

「このイラストがひとり歩きするようになったら嬉しい。」


本人の口から、そんなお話が出てきます。



その後Yさんは、高校の同級生の方がつきそって、イタリア旅行にも行くことができました。


「私にとってこれはセカンドチャンスだと思っている」

文字通り、二回目のチャンス。

Yさんは、ココカラの歩みを、

「その後」ではなく、「チャンス」と考えたんだと思います。


「まわりの人によるサポートに気づき、それがちゃんと見えるようになった。」

「そのことで、自分の出し方が変わった」

とYさん。

自分の出し方が変わる、という表現は、Yさんらしい、素直な表現だと思いました。

Yさんは自身の経験から、

自分らしさの表現のしかた、行動のしかた、ふるまい方が変化したんだと思います。

失ったことよりも、変化したんだ、と、その変化したさまをしっかり見つめている。

今ここから、自分の足でしっかりセカンドチャンスを歩いている。

そんなしなやかな気構えが伝わってきました。

講演は大成功で、終了後はいろんな方から、よかったと声をかけられていました。

本人は、「またやる!」と言ってくれています。

こうしてYさんが体験を語ることで、今後また何か、新しい出会いにつながることを願います。