ふらっと暦 文月

2025年7月16日更新

十八才から勤めた印刷会社を今年定年退職した。四二年間も働き続けた理由?正直自分でもよく分からない。
子どもの頃から本好き。文字に触れている事が好きだったし、校正の仕事は、やり甲斐があり楽しかった。
入社すると漢字検定を受けさせられたが、漢字も好きだった。漢文学者の白川静氏の本の版を作るときなどは、とにかく登録がない文字が多く、作字に苦労したが、それも今は良い思い出。
仕事は校正一筋。ミスが少ないと言われた仕事だったが、怪我のせいで続けられなくなり、今まで積み上げてきたものは、すべてパーになったような気がした。その後社内で転籍を重ね、慣れない仕事に苦労しながら何とかかんとか定年を迎えることが出来た。色々あったけれど、四二年間ここで頑張ったこと、生まれて初めて自分で自分褒めてやろうと思えた。

仕事の合間に、趣味のオートバイはナナハンに乗って、会社の同僚と登山も沢山した。
何となく導かれるように好きなことに出逢ってきたのでゼロからやりたいことを探すのは初めての経験になる。
長い間ずっと何かしていたから、又何かを見つけてこの先人生を歩みたい。ガールフレンドも募集中です。

二〇二五年七月
(ふらっとメンバー)N・K

(「ふらっと暦」は、利用者の方々の毎日を写真と文章でふりかえる施設内広報誌で、題字は利用者の方の自筆です。表紙のみHPに掲載しています。)