別れ
ふらっとメンバー只今53人。大所帯だ。開所から21年を迎え、沢山の方々が入れ替わる。もちろん、ずっと一緒に居てくださる方々もいる。
嬉しい出来事は、Kさんの就職が決まったこと。Nさんが退院して戻ってきてくれたこと。Aさんが、世田谷社会福祉事業団で講師として講演すること。Sさんが、昭和女子大で講義すること。K子さんが読み聞かせボランティアを続けてくれていること。N子さんが就職目指してパソコン教室に通い始めてくれたこと。A子さんが骨折から回復して食器洗いを手伝ってくれること。書き始めたら止まらない53人分の嬉しいことがある。
そして、今日哀しい電話があった。K.Hさんが逝去されたと。ふらっとが千歳船橋にあり、プレハブの建物だったころからのメンバー。何度もこの「つれづれ」に登場いただいた。ふらっと卒業後も、折に触れてボランティアとして立ち寄ってくださった。
働き盛りで倒れ、新聞記者でありながら何よりも大切な言葉を失い、失語症と共に笑顔を絶やすことなく、私たちに生き続ける喜びを教えてくれた。映画が大好きで、手帳には不自由な右手で書いた映画記録がいつもびっしりだった。
もう二度とあの笑顔には逢えない。奥様は電話で「倒れてからもあんなに楽しい時間をふらっとで過ごせて、幸せだったと言うと思います」「遺した映画雑誌キネマ旬報受け取っていただけますか」と。早速K.Hさんが私たちに遺してくれた大切な時間を受け取りに行こうと思う。
(2017年6月 – ふらっと暦より)
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